竹かんむりに犬と書いて
竹かんむりに犬と書いて
「こらッ! なんちゅうことすんネン!!」
「わぁッッ、ビックリしたぁ~。福ぅ~久しぶりやねェ~」
「久しぶりやないわッ!」
「何をそないに怒ってんのや?」
「何をそないに怒ってんのや?」
「イヌ年もボチボチ終わりやから挨拶しとこと思って降りてきたら、このザマや!」
「あはは~、これはカァチャンの仕業や」
「噛みついたろか!」
「まぁまぁ、そない怒らんと…」
『笑』という文字の成り立ちには様々な説があって、『竹』かんむりに『犬』という説もあります。『犬』=『夭』って少々無理もありますが…。
なぜ『竹』かんむりに『犬』で『笑』なんでしょうかね。
なぜ『竹』かんむりに『犬』で『笑』なんでしょうかね。
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昔々、あるところに、何があっても笑わない気難しいジィ様がおったそうな。今日も今日とてオモロないわいと苦虫を噛み潰したような顔で散歩に出かけたところ、やたらと吠えかかってくる犬に出会ったそうな。
このジィ様、「なんじゃコイツは!」とばかりに足元の竹カゴをケトばしたら、なんの拍子か、その竹カゴが犬の頭にスッポリ。
急に目の前が見えなくなって慌てふためく犬を見て、ジィ様は大笑いしたそうな。
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「ふ~ん」
「っちゅうこっちゃ」
「せやけど、ジィ様はオモロかったやろけど犬は笑いモンや。これはイジメやな」
「イジメかも知れんな。せやけど笑いモンになるっちゅうのんは、相手が意識してくれてるからなんやで」
「イジメたろってか?」
「それもある」
「ほんならアカンやんか!」
「アカンことない。そういう時はスカタンやって思い切り笑いモンになったんねん」
「イジメっ子は図に乗るやろ」
「それでもわざとスカタンやんねん」
「わぁ、どないなんねやろ」
「こらアカンとイジメっ子は引いていきよるなぁ」
「ホンマかいな」
「経験者は語るッちゅうやっちゃ」
「オトウチャン、イジメっ子やったん?」
「オトウチャン、イジメっ子やったん?」
「どっちも経験したな」
「初めて聞いたわ」
「初めて聞いたわ」
「初めて言うた」
「まぁ、ウチは竹かんむりに犬でエエわ」
「笑門来福っちゅうんは、福が来るから笑うんやなくて、笑ってたら福が来るっちゅう意味なんやで」
「やっとウチの登場や」
「オマエにもいっぱい笑わせてもろたな」
「オマエにもいっぱい笑わせてもろたな」
「相乗効果っちゅうやつな」
「アホ犬のくせに難しいコト知ってるやん」
「ウチはわざとスカタンやって、アンタらを笑わしとったんやで」
「ホンマかいな」
「アホ犬のくせに難しいコト知ってるやん」
「ウチはわざとスカタンやって、アンタらを笑わしとったんやで」
「ホンマかいな」
「オトウチャン、ぼちぼちオチ考えな」
「オチなぁ………、『笑』っちゅう字は…」
「『笑』っちゅう字は?」
「ええカンジ」
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