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マニアな二人の大人サイクリング

マニアな二人の大人サイクリング

2017/11/03(FRI)

前々から<にも>さんに、「高野山森林鉄道に連れて行って~」とお願いしておりました。当初は10月の予定でしたが台風のおかげでお流れとなり、<す>としては丸一月振りのサイクリングとなりました。


南海高野線橋本駅で乗り換え。
まだブームは続いているのか…?



橋本駅~極楽橋駅間は山岳鉄道となり、特に高野下駅~極楽橋駅間(現在、台風21号による被害で不通)はカーブや勾配がキツく、ズームカーと呼ばれる短い車両が使われている。

九度山駅で下車。
1924年開業、経済産業省「近代化産業遺産」、土木学会「近代土木遺産C」。



昨年のような盛り上がりはない真田庵。



ほどなく道の駅「柿の郷くどやま」に到着し<にも>さんと合流する。
ここはかつて高野山森林鉄道の最終集積地だったそうだ。



食料を調達して、マニアな二人が出発。



「今日は走ってるより止まってる時間の方が長いかも知れないよ~。」
「そういうの大好き~!」
ってことで、いきなりストップ。
「ここから森林鉄道が延びてました。」



高野山森林鉄道とは…、
詳しくはこちらから↓

ここは通行止めなので少し県道13を走り役場前の交差点から丹生川左岸の森林鉄道路線跡に進入していく。
現在は遊歩道となっていて、



「エエ感じでしょ。」
「好みの道やなぁ。」
「そんなに遺構らしいものはないんですけどね。」
「橋脚はレンガやないな。」



断っておくと、<にも>さんも<す>も鉄道マニアとか廃線マニアというものではない。「ちょっと旧くてちょっと新しいものが好き」で、例えば時代的にいうと明治以降から昭和初期。日本が近代化に邁進した頃の建造物に魅かれるのだ。
<にも>さん曰く、
「レトロモダンやね。」



「古民家なんてあんまりそそられないな。」
「そうそう城址とかもね。」
「時代が古すぎる。」
「天守閣よりも石垣見てたり…。」
「刻印石探したりね…。」

路線跡は丹生川橋梁(上路プラットトラス、1925年架設、近代化産業遺産、近代土木遺産C)をくぐっている。



対岸のR390は先日の台風被害で九度山~高野下間が通行止めになっている。

台風といえば…、
4年前の秋、高野山に上る途中でこんなこともあったっけ。


(2013/09/23 玉川峡)

高野下駅(1925年開業、近代産業化遺産)。



先に森林鉄道の路線があったため、それを跨ぐように駅舎が造られている。
レトロモダンな駅舎への階段。



「ひゃぁ~、この手摺。乗り降りしてる人が磨いたんやね~。」
「握ったとたんに鳥肌がぁぁ~っ!!」



たぶん、誰にも通じない会話が続く…。



ここから先の路線跡は藪こぎになるらしいので国道へ出る。

「確か、この辺やったんやけど…。あったぁ!」
このあたりの案内の仕方は<す>も同じような感じやね。



「おおおっ、エエではないですか! レンガでないのが残念やけど…。」

下古沢駅(1928年開業、近代産業化遺産)。
レトロな意匠。





現代のような近未来的なデザインよりも暖かさを感じる。



「最寄駅はここって言われたら、ちょっと躊躇するね。」
「秘境駅といっても良いかもね。」



「さて、ここまでが前菜です。」
「やけにサラダが多いな。そろそろ肉が食いたい。」

森林鉄道遺構。
こんな小さなトンネルを小さなトロッコ列車が走っていたんだ。



「メインディッシュはまだ~?」
ここからのルートがややこしくて、なかなかたどり着かない。
森林鉄道跡からしばらく外れてしまったところで、小さな崖崩れの通行止めバリケードがなければ気付かなかったトンネル。



正しく路線跡である。



「おっ?」



「おおおっ!」



中古沢橋梁(上路プラットトラス、トレッスル橋、1928年架設、近代土木遺産B)。



「トレッスル橋ってな~に?」
「ふつう橋って橋台や橋脚の上に桁が乗っかっているんやけど、トレッスル橋は橋脚と桁が一体になっているのだよ。構造的にはπ(パイ)型ラーメン橋ってことになるね。」
「それより記念撮影や。」
「1、2の3でいくで~。」
二台のカメラをセットして、



マニアックなオジサンが二人、こんなことをして遊んでる。
おそらく誰にも理解できない、密かな楽しみ…。
「あ~、お腹いっぱいや。ここで帰っていい?」
「ここは森林鉄道やないからね。まだまだ、デザートとお土産までありますよ。」

上古沢駅(1928年開業、近代化産業遺産)。
「傾いてへん?」



秘境駅といわれる紀伊細川駅付近。高野線は正面の山の中腹あたりを通っている。
変電所から山間部に伸びる電線。



このあたりで花坂方面に支線が延びていたそうだ。

不動川沿いの大銀杏が金色に輝いている。
今年の紅葉には期待できそう。



公営団地付近。各支線が集まり、中間集積所となっていたらしい。



神谷から森林鉄道跡を外れ、通行止めのバリケードをかいくぐり、



極楽橋駅(1929年開業、近代化産業遺産)。
ケーブルカーは動いているが、高野山へは橋本駅から代替バスが運行しているので乗降者はなく、ちょっと気難しくて生真面目そうな黒縁メガネの駅員さんがヒマそうにしていた。



お昼は道の駅で買った「洋子さんの柿の葉すし」。<にも>さんのオススメで、大食いができなくなったオトナには優しいボリューム。



<にも>さんとは不思議と自転車談義は少なくて、もっぱら旅の話。それも学生時代にさかのぼるような回顧録になってしまうのは、年を取ったせいかな? 同窓会で会うたびにその頃の話題を繰り返す友達のような感じやね。

「ぢゃ、デザートにご案内です。」
極楽橋駅から来た道を戻るという<す>の意見はあえなく却下され、京・大坂街道方向へ。

「ここ! ここですよ!!」
「うわっ!」
これはデザートっていうよりメインディッシュやね。



絶妙かつセクシーな曲線を見せる路線跡。直下には高野線が通っている。
苔むした欄干に加え、色づき始めた紅葉が彩りを添える。



「アカン、トレッスル橋が飛んでしもた。」
「デザートにしては贅沢でしょ。」
「<CANCAN>さんやったらこの辺に三脚を据えて自撮りやろね。」
「<kanbi>さんと<D口>さんが一緒やったら、どんな反応やったかな。」

しばらく路線跡をたどる。

当時の古レールがブレス材に使用されている法面防護壁の支保工。



謎のコンクリート擁壁。
この間を路線が通っている。切通しにしなかったのは、何らかの理由があったのだろう。



「以上!」
「ぢゃ、神谷から戻ろうね。」
「京・大坂街道って気にならない? 小学校の木造校舎って絶対気になるでしょ?」
趣味が似通っているのでくすぐりどころを抑えられて、まんまと<にも>マジックに引っ掛かってしまう。

高野山への参詣道は九度山からの町石道もあるが、こちらは京都から続く東高野街道、大阪市内からの中高野街道、下高野街道、堺起点の西高野街道が河内長野辺りで合流した高野街道。

旧白藤小学校。
木の廊下に懐かしさを感じる。



「子供たちが雑巾がけをしてたんやろね。」
「Z-1グランプリができそうやな。」

神谷地区はかつての宿場町で、当時は参詣者でにぎわっていたそうだ。



堺から続く西高野街道には高野山女人堂に至る里程石が一里ごとに設置されていた。
起点となる大小路近くの三国ヶ丘には十三里の里程石が残り、こちらはあと一里を示す里程石。
<にも>さんは以前に、堺からこの里程石をたどり女人堂まで上ったとか。



東高野街道が京、石清水八幡あたりが起点なので、「京・大坂街道」って呼ばれているのだろう。
街道名はどこへ通じるかということで名付けられる。
だから同じ街道でも京、大坂方面からは「高野街道」、高野方面からは「京・大坂街道」。河内長野辺りの東高野街道でも一部に京街道の名が残っている。

日本最後の仇討で亡くなった敵方の墓所。



詳しくはコチラ↓



「高野の仇討ち」って黒澤映画のタイトルになりそうだが、仇討した方もされた方も七名であったそうな。もしアメリカで映画化されたら…、もう言わんでもわかるよね、「高野の七人」って。
明治4年のこの仇討がきっかけとなり翌々年に仇討禁止令がだされる。

高野下駅への分岐をそのまま京・大坂街道方面へ。
「以前に来たときにね、郵便配達のにいちゃんがバイクのブレーキをいじってるの。故障かなって思ったら、これくらい締めておかないと危なくて下れないんだって。それくらいの下りだから車間を取ってね。」
と言って下り始めた<にも>さんが、いきなり、
「ストォォォ~ップ! アカンアカーン!!」
急勾配でかなりの標高差を自転車に引きずられながら下って行く。
登坂の時は押し上げだから下りは引き下げになるのかな。とにかく乗車は無理。



膝をカクカクと大爆笑させながら下りきった先は河根(かね)地区。
下りで疲れたので小休止。
女人堂二里の里程石が残る。



ここもかつての宿場町で、本陣となっていた中屋旅館(現在は民家)では先の仇討ちの相談もなされたとか。



赤瀬橋から九度山方面のR370は通行止めなので、フルーツライン方面への登坂。下りで売り切れになった脚にはこたえる。
無事、九度山駅にたどり着き、和歌山方面へ帰る<にも>さんとはここでお別れ。

「ありがとう、エエ道やったね。あのワインディンでは自撮りしてみたいな。激下りはカンベンやけどネ。」
「気に入ってもらって良かった。マニアックな会話も楽しめたしネ。」

ここから輪行せずに橋本駅まで。
せっかくだから高野街道をたどるも詳細不明。



それでも、朝、車窓から見つけたレンガアーチの跨線橋をしっかりチェックしてみたり…。



エッヘッヘー、ビンゴ―!



橋本駅から車中のヒトとなる。
お疲れさ~ん。


「たぶん一般のヒトはついてこられへんやろね。」
「大丈夫、オイラ一般のヒトやないから。」
という挨拶で始まった、ホンマにマニアックなサイクリングで笑いの絶えない一日でした。
走行距離は30kmそこそこでしたが、中身が濃い。それが大人のサイクリングというものです。
AKB48も歌っているでしょう。

♪その距離を競うより
 どう飛んだのか どこを飛んだのか
 それが一番大切なんだ♪

って。
まぁ、ヘロヘロサイクリストの言い訳かも知れませんが…。目指すはブラタモリ的なところもありますネ。
次は近江八幡のヴォーリズ建築あたりをお願いしたいものです。

 


















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~ Comment ~

No title

本当に楽しい一日でしたね。
記事のアップもほとんど同じタイミングなのは、センスだけやなくてまとめ方や生活のリズムも似てるのかしらん?

とにかく、マニアさんに喜んでもらえて、良かった良かった。

No title

> にもさん

いやいや、午後から編集していたのですが、アレもコレもと校正しているうちに長くなってしまいました。

マニアさんに喜んでもらえて、めでたしめでたし~(笑)

No title

トレッスル橋や極楽橋からの路線跡もいいですね。神谷、河根地区の宿場風情がありますね。Google Mapでは道がつながってないですが、実際には劇下りだけどつながってるのですね。お疲れさまでした。

No title

> De_Gucciさん

<にも>さんもルートラボに苦労されていたようです。
こんなところは実走あるのみですね。

No title

くすぐられます。
  • #2217 京都の自転車愛好家 
  • URL 
  • 2017.11/05 23:04 
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No title

> 京都の自転車愛好家さん

マニアですか~?

No title

おはようございます。
う~ん羨ましいかぎりです。
転勤していなかったら行こうと計画していたコースの一つでした。
アルプス親父

No title

> アルプス親父さん

ご無沙汰しております。
アルプス親父さん好みのルートですね。
オイラは鉄っちゃんではないですが、廃線跡は勾配が緩いので好きです。

No title

こんばんは、似た者同士の超マニアックなお二人の珍道中⁉楽しませて頂きました。血圧上がりっぱなしだつたのでは⁇
一般の人は多分行かないでしようね(^_^)!
行けなくて残念です、スミマセンでした。

No title

> kanbiさん

アドレナリン全開でした~(^^)♪

No title

昨年は残念ながらご一緒出来なかったけど、先日急に思い立って行ってきました。丹生川左岸がすごく荒れていたり私の準備不足でメインディッシュのところからですが堪能しました。
京・大坂街道も荒れていて里程石のあたりは小がけ崩れと倒木が道の方に倒れ掛かってて車は通行止めになってました。でもとっても良かったです。
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