fc2ブログ
 

和泉国から雄ノ山峠を越えて紀伊国へ

和泉国から雄ノ山峠を越えて紀伊国へ

2017/09/10(SUN)

夕凪サイクリングクラブさんのクラブランに遊びに行きました。
今回のRUNは昨年グダグダになりながらもご紹介した小田井用水(https://blogs.yahoo.co.jp/sumidanna1116/37198914.html)を、N高の先輩であり夕凪メンバーでもある<M谷>先輩がアレンジされたルートです。


JR日根野駅に集合。



「え~、今回はコンダクターとして<す>さんが…。」
都合の良い時だけのゲスト参加だが、いつも暖かく迎えて下さる。
当の<M谷>先輩は、
「<す>ちゃん、頼むで。」
って…。

熊野街道を和歌山へ。
信達宿の梶谷家。5月にはノダフジが満開となる。



ゆったりとした登坂を続け、



JR和泉鳥取駅を過ぎたあたりからの旧道は担ぎもあるので、そのまま府道64をたどり、山中渓。



これから南大阪方面は秋祭の時期となり、各地では祭りの準備に忙しい。
これは「やぐら」と呼ばれ、上部は同じような作りであるが岸和田とかで有名な「曳だんじり」と違って車輪が二つしかない。「だんじり」のように人が乗り込むのではなく、「やぐら」の後方に設置された太鼓を、歩きながら打つ。
泉佐野市以南は「だんじり」でなく、「やぐら」なのだそうだ。

旧街道の趣きを残した集落を抜けると、



雄ノ山峠へ。
気温が高く、少しでも木陰を選んで登坂。



ピークを少し下ると、日本最後の仇討場。



明治6年の「仇討禁止令」が出されるまで、江戸幕府に申請し認められれば仇討ができた。公認の殺人ということになる。
「紀州徳川家の土地を血で穢すことはまかりならぬ」ってことで、和泉側での仇討となるが、このあたりは天領(幕府直轄地)であったことから岩之助は捕えられ、その後、獄中死するというお話。

熊野街道にはその道中に王子という小さな祠が祀られている。熊野参詣の人々が祈りを捧げたという。
山口王子。



下りきったあとは上淡路街道を東進。
根来の交差点を南に少し行った新根来橋付近に小田井用水の最終地点がある。



小田井用水は宝永4年(1707年)に徳川吉宗の命を受け、井澤弥惣兵衛為永なる人物が土木工事の実績があった大畑才蔵を抜擢し、開削された。
吉宗は「米将軍」と呼ばれるほど新田開発に熱心で収入増を図った。
そのお膝元で活躍していたのが井澤。彼の工法は「紀州流土木工法」と呼ばれ、近畿のみならず、東海、関東(埼玉県見沼干拓、見沼代用水)、北陸の干拓事業に貢献している。
大畑は小田井用水以前に藤崎井用水に携わっている。
これらの事業のおかげで紀ノ川右岸に1000haを越える水田が生まれた。



単なる農業用水路というワケではない。
和歌山県初の登録有形文化財となる建造物が現役で活躍中。



木積川渡井。
「渡井」とは水路橋のこと。
「<す>ちゃん、よろしく~。」
「よっしゃ、任せといて。四層巻、イギリス積みのパラペット。上部はデンティルとナナメレンガの雁木で装飾されていますね。完璧と言って良いほどのレンガ構造物です。近くの瓦礫には岸和田煉瓦の刻印があるので、おそらくキシレン製のレンガが使用されているかと…。」
「さっすがぁ~。でもまぁ、ただ積むだけやなく装飾までするなんて、当時の技術者はオシャレやったんやね。」

やはり小田井用水沿いにはたどることができず、大和街道をたどり登録有形文化財の探索となる。



おッ?



おそらく耐火煉瓦と思われし…。
古そうで再使用されたレンガには思わず目がいってしまう。

名手本陣。
何回か訪れたことがあるが初めて気がついた。
なんだかギリシャ建築みたい。



鞍蔵だそうな。
そんなお話を伺っていたオバチャンからいただいたオシャレ小物。アサリの貝殻を端切れで巻いてある。



そのまま大和街道をたどり、龍之渡井。



「<す>ちゃん、出番やで。」
「アーチの口径が入り口と出口で異なっているようです。おまけに少し斜交しているようでふつうはしない四ツ目という積み方になっていますね。おそらくそれぞれが単体のアーチ構造で、それが三層。それをつなぐ四層と合わせて七層巻になっています。巻きたて厚は上部荷重とアーチのスパンによって決められますね。石積みの上はフランス積み。煉瓦積みと石積みのハイブリッド構造ですね。」
「イギリス積みとフランス積みの復習して~。」
「だ~か~ら~、『たてたてたてヨコヨコヨコ』がイギリス積みで、『たてヨコたてヨコ』がフランス積みなんだってばッ。」



少し登って定点撮影。



<す>のうろ覚えの案内と違って<M谷>先輩はGPSでルートを把握しておられる。
だからあぜ道のような横道に入って、小庭谷川渡井。
夏草が生い茂り接近不可。



JR笠田駅で水分を補給して、



「輪音でもレベルをつけてほしいな。前回の岩湧寺はキツかったで。」
夕凪CCさんでは見どころや距離、登坂などを考慮して「☆」の数でレベル付されている。例えば今回のルートなら「☆☆☆」。
「以前はやってたんですけどね、人それぞれで感じ方が違うんで。主なルートを示して、後はそれぞれルート探索してほしいんですよ。それが自転車乗りとして当然やし。ある意味、責任回避的なところもあるんですけどネ。」
なんて雑談をしながら走っていると…、



「おやまぁ~。」
「なんで~?」
<K川>さんと遭遇。なんだか本気モードで走っておられたようだ。
前回の輪音に参加していただいて、同じく参加していただいた<M田>さん、<kanbi>さんともどもご挨拶。

中谷川水門。
川床を通過する伏越(サイフォン)。



「サイフォンってなぁ~に?」
「水頭差(水面の高低差)を利用して水を流す仕組みです。灯油ポンプでパコパコしなくても灯油が流れますよね。でも液面が同じになると流れない。これが水頭差です。」
「灯油でも水?」
「細かいことは言わない!『液体が』です!!」
「で、上から越すのをサイフォン、対して下から越すのを逆サイフォンと言いますね。」
「建設当時はどういうふうに作ってたんやろ。煉瓦はないし石積みを漆喰で固めてたんかな?」
「木樋かもしれませんね。」
「おっ、ここに黙秘してる人がいてる~。」
「サイフォンを連発してるから食いつくかと思ってたのに。」
「いやいやネルドリップです。」
とおっしゃるのは喫茶「夕凪」の<F元>さん。

大和街道を外れ紀ノ川沿いで最終目的地を目指す。
小田頭首工。小田井用水の取水口である。



輪音では真田庵に行ってしまったのでここは初めて。



造船所が施工していて、トラスを形成するL形鋼とプレートがリベット止めされているのが時代を感じさせる。



橋本駅でゴール。



お疲れサンでした~。


<M谷>先輩がわざわざ水利組合から入手してくれた資料です。



これは素晴らしい資料でまたまたネタが増えそうです。






スポンサーサイト



Guide
  •  …この記事と同じカテゴリの前後記事へのページナビ
  •  …この記事の前後に投稿された記事へのページナビ
 

~ Comment ~

No title

素敵なルートですね。行ってみたくなりました。

No title

お疲れ様でした。
超大作のブログですね‼
こんなけ語れるのは〈す〉さんならではですね、さすがです。

輪音ランとは逆廻りで中々新鮮でした。M谷さんも走門来福のブログを見て行きたくなったそうですよ!

K川さんの登場には驚きました。
ホント日本は狭いですねー(^_^)

No title

凄い、何時もよーこれだけ色々と調べられますね?

橋本へは何十回も行ってますが知らない場所がいっぱいで驚きです。(笑)

No title

> rhj*s*61さん

是非行ってみてください。
小田井用水は稲刈りの時期なんで水量が少ないかと思われましたが、結構流れがあって趣きがありました。
推奨時期は田植えの頃でしょうか。

No title

> kanbiさん

ネット検索のおかげですね。
でも最近、物忘れが多くなってきたので、ブログが忘備録代わりになってます。

No title

> KIHARUさん

早く自転車復活して一緒に走りましょうよ~♪

No title

いいコースですねぇ。ガイドブックに載せたい! スミだんなさん、本だせるよ。
和泉砂川から橋本に行くってのは、私には全然わからないコースですが。

No title

> hin*noy*m*さん

本を出せるほどの文才があれば、今頃もっとお金持ちになってますよ~(笑)

和泉砂川から橋本へは、雄ノ山峠を越えれば後は平坦な大和街道で行けますよ。
  ※コメントの編集用
  シークレットコメントにする (管理者のみ表示)

~ Trackback ~

卜ラックバックURL


この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

MENU anime_down3.gif

同じカテゴリの記事が一覧表示されます
同じタグの記事が一覧表示されます
更新月別の記事が一覧表示されます
キーワードで記事を検索