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カーサイはじめ

カーサイはじめ

2017/02/26(SUN)

どうも遠出するときのアプローチというのは、走りなれた、というより走り飽きたルートになります。たとえば奈良方面へ行くなら大和川を遡上していくわけですが、これがまた、不思議と行きも帰りも向い風になるんです。まぁ、海風とか陸風とかを考えると当然のことなんですが、帰路の向い風というのはシンドイものです。
っちゅうことで、今回はこれから活用しようと考えているカーサイの練習です。


「自転車を載せられること」を条件に買ったN BOXに愛車を積み込んで、



法隆寺近くの町営駐車場にクルマをデポ。
サイクリストのあいだでは「お車は何ですか?」と聞くと「TOEIです」なんて答えが返ってくるとか…。
本日の<す>の「お車」は、「CHERUBIM」の700Cなんちゃってランドナー。

法隆寺から、



法起寺、



法輪寺と自撮りをかましながらゆったりと走る。



風もなく穏やかな日差しで、走り飽きた大和川沿いも少しもったいないことをしたかな。

旧片桐城跡。
西側には「薙刀(なぎなた)堀」と呼ばれる池があり石垣と建物が城跡をしのばせる。



片桐家は石州流茶道宗家であり、創設者の片桐石見守貞昌(石州)は「賤ヶ岳の七本槍」の一人である片桐且元の甥っ子。
近くの慈光院は石州が父の菩提寺として建立した。

富雄川を少し走って、大和郡山。
かつてこの街に赤塚不二夫が住んでいたということを最近の新聞記事で知った。
終戦直後、満州から引き揚げてきた赤塚は母の実家を頼り、小学5年から中学1年までこの街で暮らしていたそうだ。その頃の体験が「おそ松くん」の原点になっているという。
残念ながらそれらしいものは残っていないが、記事によると、あるとき野良猫をため池に放り込み、石を投げつけた。翌日、その猫が別の場所からにらんでいた。どんなにいじめられても立ち上がるこの猫が、のちの「ニャロメ」となる。
「ニャロメ」は、このため池で生まれたんだ。



「チビ太」にもモデルがいて、馬車屋の息子で5歳くらいの丸刈りの男の子だったそうだ。「小さかったから頭をボコボコに殴られていた。それでも泣かずについてくる、憎めない子」やったらしい。
記事の中で一人娘で、フジオ・プロ社長のえり子が語っている。
「チビ太には子供のたくましさがあり、実に人間らしい。(中略) 人間の普遍的なやさしさや強さ、切なさがおそ松くんには描かれています」
今のような陰湿なイジメではなく、悪ガキ仲間が闊歩していた頃のあたたかいお話であるね。

このあたりで暮らしていたとか。



大和郡山城跡にやってきた。
耐震工事のため天守の石垣は補強工事中で、入れるのは3月末とのこと。



数は少ないが梅の花が良い匂いを漂わせている。





旧奈良県立図書館(明治41年築)。
日露戦争の戦勝を記念して奈良公園内に建てられたものが移築されていて、普段は不登校児のための学科指導教室として利用されている。



窓や階段は、当時のオリジナル。





ここでガイドをしてくださったオジサンにかねてからの疑問を尋ねてみた。
「洞泉寺町にある大きな木造建築は何なんですか?」
「ああ、それなら…」
「やっぱり…」

旧城下町では「大和な雛まつり」というイベントが開かれており、期間中(2/25~3/5)は入場無料ということで「紺屋」に立ち寄ってみた。









段飾りのまわりに吊るされているのは「つるし飾り」といわれるもので、江戸時代から各地に伝わる細工物だそうだ。長女の初節句を祝い、無病息災、良縁の意味を込めた手作りの細工物を吊るしたのが始まり。福岡県柳川・「さげもん」、静岡県稲取・「つるし雛」、山形県・「傘福」が日本三大つるし飾りだとか。



さてさて、先のオジサンのおかげで解決した建物に向う。
何度か訪れているが、改めて来てみるとやはりそれっぽい。



「ああ、それなら遊郭ですよ」
オジサンの答えは期待通りだった。
「そこは、どっちかっていう金持ちの人が遊ぶ高級なところやった。一般庶民は岡町というところやね」



当時は遊女たちが顔見せしていたであろう格子越しにお雛様。



公開されている旧川本邸は耐震工事中だったが、源九郎稲荷神社に向う参道にはそれらしき建物が残っている。



検索してみると「奈良三大遊郭」というのがあって面白そう。また新たなネタさがしが増えた…。

源九郎稲荷神社は、義経が頼朝との戦いに際し、幾度もこの稲荷に助けられ「源九郎」の名を送ったという伝説が社名の由来となっている。
「ゲンクロー」って考えてみると「源九郎判官義経」から来てるのね。
前回の「落サイ」の余韻が残っているのか「鞍馬から牛若丸が出でまして、名も九郎判官」というのを思い出してしまった…。



「源九郎狐」は歌舞伎の「義経千本桜」にも登場し、その関係からか手前の枝垂れ梅は、六代目中村勘九郎が襲名記念で植えたもの。なんで桜やなくて梅なんや?
このお稲荷さんにはほかにも伝説があって、戦にかかわるものが多い中で、ほほえましいのが「綿帽子を買った狐伝説」。

大和郡山の柳三丁目に帽子屋があり、ある冬の夜婦人が綿帽子を三つ買いに来た。代金を源九郎神社へ取りに来て欲しいと言われたが、神社では誰も心当たりがないという。主人が不審に思っていると、境内から綿帽子をかぶった三匹の小狐が現れた。

う~ん、この帽子屋も探してみんとアカンな。

新たな宿題を残し、今日のところは終了。




いやはや、「エエお天気やのに、おまけに法隆寺ぐらいやったら自走で行け」とおっしゃる方もおられましょうが、そこはそれ、ナニがナニでして…。
「月曜日は徹夜やから体力温存」というのを言い訳にしておきましょう。

カーサイの利点は、鉄道では不便というところにも行けるし、何より重い輪行袋を引きずりまわさなくても良いということですね。
但し、スタート地点には必ず戻らないといけないわけで、おまけに走り終えて「お疲れサン」と缶ビールを開けるわけにもまいりません。
でもまぁ、ちゃんとした輪行車(輪行の時はいつもロード)を持たない<す>にとっては、かなり魅力的ではありますね。

若い頃は「何が何でも自走! 自走こそサイクリングや!!」なんて息巻いておりましたが、まぁ、こんなんもアリっちゅうことで…。






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~ Comment ~

No title

こんばんは、
僕もカーサイをよく利用します。
輪行のように気を使わなくてすみますが
デポ地へまた戻らにゃいかんという制約もあり
帰りの電車のプシューもできないので
痛し痒しですか(笑)

No title

今朝は法隆寺か明日香かで迷い
結局、嫁と明日香へミニベロポタでした。

No title

> jagdbomberさん

コメントありがとうございます。
帰りの「プシュー」を考えると、理想はおかかえ運転手付きってことになりますね~(笑)

No title

法起寺あたりは好きなところです。
安く停められる駐車場を見つけるのもカーサイの楽しみのひとつです。

No title

> モゼールさん

奥様とペアラン、うらやましいです~♡
ウチの奥方ときたら、やれお尻が痛いのとか、お腹すいたとか…。
カーサイをきっかけにまた連れ出そうかと考えています。
この時は「カー(チャン)サイ」になりますね~♪

No title

> syokoraさん

今回は無難なところで500円払って町営駐車場にしました。以前、柳生街道を走った時に新薬師寺の駐車場にデポして、怒られたことがあったので~。

No title

こんばんは、いよいよ始動ですね!
楽しみにしています。

No title

> kanbiさん

実際に固定とかを考えると2台はしんどいかも知れません。
積み方を考えてみます。

No title

どんどんジドリが上手になられてますね。
今度いっぺんご指南下さい。

No title

> KIHARUさん

ありがとうございます。
オイラの場合、奇跡と偶然の産物なんですよ。
10秒後の自分の位置取りを想定して、フラフラ走ってますよ~(笑)

No title

はじめまして。
ランダムブログより勝手ながら
訪問させて頂きました。
貴方のブログを拝見致しましたが、とても素敵なブログですね。
実は私もブログを公開しております。
貴方のブログほど素敵ではありませんが、もし良かったら見に来て下さい。
内容は四コマ漫画でして、タイトルは「ボクら川越の警備員でーす!」と言います。
とても面白い漫画ですので、大いに笑って楽しんでストレス解消をして下さい。
どうかよろしくお願い致します。
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